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Python(パイソン)とは

Pythonとは、1991年にオランダ人のプログラマー「グイド・ヴァンロッサム氏」によって開発されたプログラミング言語です。機械学習や人工知能の構築を得意としており、汎用性が高く世界中で利用されています。2021年にマイナビが発表した「ITエンジニアが学びたいプログラミング言語」で第一位に輝くなど、日本でも人気です。
Pythonが使われている身近なサービスには、YouTubeやInstagramなどがあります。これらのサービスにある「おすすめ機能」「検索機能」を実装するために、Pythonが活用されています。
近年はDX推進の動きが進んでおり、人手不足の中でいかに効率よく業務を進めていけるかが重要視されています。業務の自動化に役立つPythonは、今後も注目が高まっていくと予想されます。
出典:TECH+「2021年 ITエンジニアが学びたいプログラミング言語、第1位はPython」
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20210205-1697145/
2023-01-20
Pythonの特徴

Pythonの特徴は、主に以下の3つです。
- シンプルなコード
- 情報ソースが多い
- 便利なライブラリが豊富
Pythonの特徴としてまず挙げられるのが、コードがシンプルである点です。少ないコードの記述量でプログラムを組めるため、誰が書いても同じようなコードになります。
Pythonは情報ソースが多いことも特徴です。情報ソースが多ければ、エラーや勉強につまずいたときに解決しやすいでしょう。そのためPythonは、初心者にもおすすめのプログラミング言語の一つです。
またPythonは、便利なライブラリが豊富にそろっています。ライブラリとは、特定の機能をまとめたプログラムのことです。有名なPythonライブラリには「Pandas」「Numpy」「Requests」などがあります。Pythonでライブラリを活用すれば、初心者でも効率よくデータを分析したりアプリを開発したりすることができるでしょう。
Pythonで自動化できること・効率化できる業務の一例

Pythonで自動化し効率化できる可能性がある業務には、以下のようなものがあります。
- メールの自動送信
- ブラウザの自動操作
- Word・Excelの操作
- データ処理
- スクレイピング
- 統計処理
それぞれどのようにPythonを活用できるのか、詳しく見ていきましょう。
1.メールの自動送信
Pythonライブラリの「smtplib」や「imaplib」を使ってSMTPやIMAPなどのサーバーに接続すれば、メールを自動送信できます。メールの自動送信以外にも、メールリストの作成や配信設定などの自動化が可能です。
2.ブラウザの自動操作
Pythonライブラリの「Selenium」を用いることで、Webブラウザを自動操作できます。人がマウスとキーボードを使って操作している、以下のような作業が自動化の対象です。
- スクリーンショット
- ボタンのクリック
- 入力フォームに値を入力
- 検証ツールから要素を取得
- ページの自動更新
スクレイピングをする際に取り入れると、業務効率が大きく向上する可能性があります。
3.Word・Excelの操作
Excelの操作や自動化には主にExcel VBAが使われますが、Pythonライブラリの「OpenyXL」をインポートすれば、PythonでもExcelの操作が可能です。例えば、シートから必要な値を自動で取得し、別のシートに保存する操作を実装できます。
また「Python-docx」を使えば、Wordの操作も可能です。文書を開かずにテキストを読み込めるほか、文書の新規作成・保存ができたり、画像や表を挿入できたりします。
「OpenyXL」と「Python-docx」の2つのPythonライブラリを組み合わせれば、WordとExcelを連携させられるため、業務の効率化につながるでしょう。
4.データ処理
Pythonはデータ処理も得意なプログラミング言語です。
インターネットが普及しさまざまなやり取りがされる昨今、身の回りには大量の情報があふれています。とはいえ情報を持つだけでは不十分であるため、適切に処理して利用価値のあるデータへと加工することが必要になります。
Pythonは複雑な計算ができるライブラリが充実しており、データを素早く適切に処理することが得意です。データを適切に処理できればデータ分析もスムーズに進められるため、業務の改善・効率化やコスト削減にもつながるでしょう。
5.スクレイピング
Pythonで行える業務自動化として有名なのが、スクレイピングです。スクレイピングとはデータを集め、利用できる形に加工する操作のことを指します。大量の情報であっても素早く情報を集められるため、競合他社の分析やマーケティングに役立つ技術です。スクレイピングを実行できるPythonライブラリには「Requests」「Beautiful Soup」「Selenium」などがあります。
スクレイピングを活用すれば「Webで検索」→「営業先の会社名や電話番号・住所を取得」→「Excelに保存」の一連の流れを、自動化することが可能です。
ブラウザの自動操作と組み合わせれば、業務効率が大幅に改善するでしょう。
6.統計処理
統計処理専門のプログラミング言語にR言語がありますが、Pythonも統計処理が得意です。「Pandas」「Numpy」「Matplotlib」などのライブラリが充実しているため、初心者でも比較的容易に統計処理を活用することができます。
例えば、駅からの距離や部屋数、築年数から住宅価格を予想するモデルの実装が可能です。「Matplotlib」を用いて図や表を作成すれば、要素が複雑に絡む事象を視覚的にも理解できるでしょう。
非エンジニアがPythonを活用する前に得ておきたい知識

非エンジニアはPythonを活用する前に、Webブラウザの自動操作やスクレイピングで必須となるHTMLの基本文法を理解し、ソースコードをある程度読めるようにしておきましょう。HTMLとはHyper Text Markup Languageの略語で、Webページを構築できる言語です。
Webブラウザの自動操作やスクレイピングでは、Web上からデータを取得する必要があります。データを取得する際、検証ツールを開いて該当する箇所のデータを抽出するため、HTMLの構造を理解しておく必要があります。
また、HTMLの知識に加えてWebサイトの見た目を整える言語であるCSSの知識があると、使いやすいツールやアプリを構築できます。
Pythonを活用して業務を効率化するには、上記のように周辺知識を抑えておくことも大切です。