Tech0でプログラミングスキルを伸ばし業務で活かせる人材に
はじめに、それぞれ現在の業務とご経歴について教えてください。
石田さん(以後、敬称略):
ここ2年ほどは、新規事業の企画の担当をしています。弊社は製造業中心なのですが、サービス面に関する企画の提案を進めている形です。入社後はもともと車両システムなどの開発に携わっており、プログラミング目線でいくとC言語などは扱っていたのですが、WebアプリやWebに関する言語には触れたことがありませんでした。
黒須さん(以後、敬称略):
私はデジタル推進を行っている部署に現在所属しており、自動車業界でいうところの「コネクテッド」(※1)の分野に携わっています。そのなかでも新規技術の取り込みと呼ばれる領域にて、デジタルを使ったサービスを考え、PoCを実施しています。
2015年に入社したのですが、そこから2022年の3月までは、車体や部品の設計・製造をするチームに所属していました。CADを使って部品の設計をし、製造要件に基づいて試作やテストをしたのちにローンチするという業務ですね。
お二人とも、プログラミングを学び始めたきっかけや、Tech0にて学ぼうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
石田:
C言語自体は大学の授業にて習い始めましたが、本格的に使い始めたのは研究室に入ってからですね。会社に入ってからは、車両システム開発の延長線上で使っていたような形です。
もともとC言語を学んでいたものの、サービス面で活かすとなると、Pythonやhtmlなどのいろんな言語の知識が必要なことがわかりました。僕が学んでいる言語の領域とは全然違うところで、デジタルサービスの開発って動いていたんだな、と。
また、新規事業のサービスを企画する上でサービスの裏側で何が起きているのか仕組みを理解することができないと具体化した提案ができないことがあったり、実際のユーザやステークホルダーに動くモックを見せた方が企画を進める上で手っ取り早いと思う場面があったりとソフトウェアサービスの仕組みの理解と共にモックを作れる能力も合わせて必要でした。
そこでTech0に入っている先輩に紹介してもらい、スキルをつけるために参加することにしました。
黒須:
私も基本は石田さんと同じで、大学の時にC言語の入門から学び始めました。そのあとは大学院の研究室にて、教授にサポートしてもらいながらロボットを動かすぐらいでしたね。入社してからはずっと触らずに来たのですが、2022年の4月に今の部署に配属されまして。
弊社が製造業中心ということもあり、「この企画が将来のデジタルサービスにつながるのか」という問いかけをされても、誰も答えを持っていない状態でした。そしてやりたいこと企画プレゼン、修正、契約、社内&外部ベンダーさんとの調整などで完成するまで長い時間がかかるため、完成までが遅い。さらにそこでまた質問される機会などもあったため、自分で動かせるほうがいいと感じてTech0に参加する運びになりました。
Tech0で学んだプログラミングのスキルを、今業務でどのように活かされているのでしょうか?
石田:
社内の人やお客様などに、モックレベルでもいいので自分のやりたいサービスを見せる場面で活用しています。また、何か大きなものを作ってもらうとなった際に、要求の仕様や中身の構成を考える場面でも活用していますね。
黒須:
私の場合は、これまでは決裁を通して初めてモックにたどり着いていたのですが、決裁を通さずとも自分でサービスなどを作れるようになりましたね。あとは外部委託をする際に、仕様の話を少しできるようになったことも活用シーンとして挙げられます。
身につけた知識を応用してアプリやITサービスを制作
プログラミングをどのように学んでいかれたのかについて教えてください。
石田:
最初はProgateの題材を使い、htmlやPythonなどの各言語を学びました。スムーズに言語ごとのポイントをつかんだうえで、ホームページの仕組みがなんとなくわかる状態になった点やAppのフロントエンド・バックエンドのおおまかな繋がりが理解できるようになった点がよかったと思っています。
その後ほかの動画学習の授業も受け、自動車業界の株価可視化アプリを作るなどして、応用していった感じですね。こういったアプリは成果物を見せる目的で作り、次のステップとして自分のサービスでモックの作成も行っていました。
黒須:
私も石田さんと同じで全体構造を知るところから始めたのですが、部署にデータ基盤のチームがいたこともあり、より理解が深まりました。あとは、Progateのデイリーランキングに載るようにと、日々頑張っていましたね(笑)。
その後は、Twitterをコピーして作るなど動画学習を中心としてきました。成果報告会では、最終的にスターバックスを題材に、次に店舗が作られる場所を予測できるものや、旅行に行った際にレコメンドしてくれるシステムなどを作りました。
このぐらいになってくるとモックぐらいはパッと作れるようになっていたので、社内で作ったモックを周囲の人に見せつつ、学習を進めていきましたね。
お二人とも、そういった成果物を作るまでにどのくらいの期間学ばれたのですか?
黒須:
私はだいたい3カ月ぐらいですね。
石田:
僕も9月からスタートして、成果物的なものが作れるようになったのが12月なので、3カ月ぐらいです。
とても早いですね!これまでさまざまなものを作られたと思うのですが、特に達成感を得られたものはありますか?
石田:
僕の場合は動画などから、姿勢解析を使って人の動きや座標の位置を取得・判別して自動でトレーニング回数を計測するものであったり、あとは動画内で話されている内容を書き起こし、要約するモックなどですね。動画内で話されている内容を書き起こし、詳しく解説できるようにもしました。
黒須:
私はOCR(※2)を使って文字を起こすサービスです。サービスとして初めて作ったものなので、印象に残っていますね。あとは旅行のレコメンドサービスのUIもこだわって作ったものだったので、達成感を得られました。
※1 コネクテッド :「つながった」「接続した」という意味の英単語「connected」のことを指し、自動車業界では「通信機器により車が外部とつながること」を意味する
※2 OCR:手書きや印刷された文字をスキャンおよび解析し、文字データに変換する技術
プログラミングスキルは企業の内製化にもつながる
プログラミングを活用できてよかったと感じられた場面について教えてください。
石田:
まず1つ目が、実際に動くものが作れたのだという達成感を味わえたとき、2つ目がほかの人の反応を見たときですね。部署の人たちは基本的に外注するというスタンスがあるのですが、僕が作ったものを見せたときに、自分たちで自己完結できる部分もあると認識してもらえたところが大きいと思っています。
黒須:
私の過去の業務では、設計作業から試作品を手にするまで3ヶ月かかっていました。ソフトウェアの領域だと、モックを作るまで1〜2日ででき、このスキルを得ることができてよかったと感じています。
今、内製化が大事という話が出ることがあると思うんですけど、そういった部分にも貢献できることを実際に見せられますし、周りの反応もよかったです。
日常生活でもプログラミングを学んでプラスになったと感じたことはありますか?
黒須:
日常のなかに、ビジネスのアイデアを見つけられるようになったと感じています。私はキャンプが好きなのですが、予約サイトを見てちょっと工夫すればもっといいサービスが作れるのではないか、と思うことがありました。あとは、IT用語が書いてあるものを見ても、興味を持って情報収集できるようになった点ですね。
石田:
僕は、日常生活で簡単で便利なアイデアが思い浮かんだときに簡単に仕組みも想像できるようになったことが増えた印象です。家電製品やスイッチなどHome IoT系はいろいろありますが、システムとしてソフトの部分はおおまかに頭に浮かぶので作ることはできそうだなと。ただハードの部分も必要だと思いますので、そこまで取り組んでIoTの分野にもスキルの枠を拡げたいですね。
まだこれから取り組んでいきたい部分ではあるのですが、プログラミングの知識を用いればIoTの分野にも活かせるのではないかと思いますね。
スキル習得には「実際にやってみること」と支え合える仲間が大切
プログラミングスキルを習得するための学習のコツを教えてください。
石田:
僕はある程度コードを書けるところからスタートしたのですが、初めてプログラミングに触れる人の場合、学んだあとに実際にやってみるという学んだあとに実際にやってみるというステップを踏むこととその内容を他の人に見せるということが大切だと思います。たとえば自分のホームページを作るのは応用にもトライできて、ほかの人にも見せられますし、手っ取り早くていい教材ですね。
黒須:
私は、一緒に学習したり競争したりする仲間を作ることですね。発表会みたいなものに参加する場合も、仲間が一緒に支えてくれることでモチベーションを維持できました。
これからプログラミングスキルを活かせる人として、目標や目指したいものはありますか?
石田:
まずは、自分の作ったものでお客様の課題が解決できるという状態を、感じられるようになることですね。その次のステップとして具体的なものを本格的に作り、サービスをローンチできたらと思っています。
黒須:
私も、サービスを立ち上げることをひとつの目標にしていますね。あとは、ものを作って品質管理をしローンチするという製造業の流れを、自分のスキルで広くカバーしていきたいと思っています。また、一企業に勤めるものとして、製造の力とITの力をうまく掛け合わせたサービスが作れたらとも考えています。