2023
08
09

コミュニティと強い動機。この2つがあれば、プログラミング学習は挫折しない

コミュニティと強い動機。この2つがあれば、プログラミング学習は挫折しない

挫折率が非常に高いと言われているプログラミング学習。「挫折しないためには、強い動機が必要」と語るのは、ライオン株式会社新規事業部門に所属する斎藤さん。

斎藤さんは現在、出向先であるTANOTECH株式会社にて福祉・介護ゲーム機「TANO-LT」のリードエンジニアを務めており、ゲームコンテンツやシステムの開発・運用に携わっています。しかし彼はもともとプログラミング言語を独学で学んでいただけで、本格的に学んだことはなかったのだそう。

プログラミング初心者の状態からどのようにしてプロダクト開発をリードするような“活かせる人”になったのか、詳しくお話を伺いました。

斎藤 貴大(さいとう たかひろ)さん
ライオン株式会社 戦略統括部イノベーションラボ 新規開発チーム

2020年ライオン株式会社に入社。新規事業部門でプロトタイピングやMVP(Minimum Viable Product)を用いた新規事業開発の進め方を社内に浸透させる業務に従事。2022年9月より協業先のTANOTECH株式会社へ出向。福祉・介護ゲーム機「TANO-LT」のリードエンジニアを務めている。

この記事はこんな人にオススメ!
👌
  • 新規事業に携わっている
  • 継続的なプログラミング学習に苦慮している
  • プロダクト開発に携わっている
目次

ニーズに答えられない。そんな課題感からプログラミングを学ぶことに

まず現在の斎藤さんの業務内容を伺えますでしょうか。

新規事業の推進を行う部署に所属しており、現在はTANOTECH株式会社へ出向しています。出向先での業務は、主に福祉・介護ゲーム機「TANO-LT」の新しいコンテンツの開発・運用です。

また出向先で得た知見を、出向元の会社に還元する業務も担っています。ライオンは、もともとIT系の知識やスキルが乏しいといった課題を抱えていたので。

斎藤さんが出向に選出されたのは、IT系の知識やスキルがあったからなのでしょうか?

独学で勉強していたことはありましたね。

大学で機械工学科を専攻していて、ロボット開発を行うゼミに所属していたんですよ。大学のあった栃木県の名産であるいちごの栽培、収穫、品質検査を自動化できるようなロボットの開発を行っていました。

ただ大学にはプログラミングを学習するような講義はなくて。だから自分で調べたり、研究室の先輩に教えてもらったりしながら、なんとか研究発表に間に合わせていました。

ライオンに入社されてからも勉強は続けていたんですか?

いや、ほとんど勉強していませんでした。出向前は、組織にプロトタイピングやMVPなどの考え方を広めることに取り組んでいたんですね。

それまでライオンでは、最初から数千万円程度の大きな予算を割き、プロダクトを外注に依頼して制作していたんですよ。その結果、意図していたものと違うものが出来上がってしまったり、改良をするたびに費用がかかってしまう。その結果、採算が合わずテーマがペンディングするということが多発していました。そこに会社全体として課題感を抱いていました。

だから電子工作やプログラミングを活用して、実用に足る最小限の機能だけを備えたMVPを作り、検証を重ねながらプロダクトの質を上げていく進め方を浸透させようとしていました。

その進め方のソフトウェアに関する相談役が自分だったのですが、答えられること、できることが少なくて。ほとんどのことを外注に依頼している状況でした。

相談の窓口担当のような感じになってしまっていたと。

そうです。年間で約60件ぐらいの相談がありましたし、セミナーを開催することもあったのですが、毎回満員で。それぐらいIT関連のことを勉強したいという社員はかなりたくさんいたんです。

しかしそのようなニーズがあっても、自分では応えることができず、いつも歯痒い思いをしていました。なので、ニーズに応えられるような人材になろうと決心しました。

「一生解決しないかも」と思えたエラーも、コミュニティですぐに解決

とはいえ、ホームページやwebアプリの開発は未経験だったわけですよね。

全くの未経験でしたね。独学で学ぼうとはしたものの、何から学ぶべきかが分からなかったですし、学習で躓いた時に解決してくれる人がいなかったのでとても困っていたんです。そんな時に、ビジネスxエンジニア人材になることを目的としたブートキャンプ「Tech 0」にお誘いを頂き、参加してみることにしてみたんです。

「Tech0」では、まずProgateを活用して勉強をしていくんですよ。基本的にはパソコンで勉強していたんですが、通勤時間の電車の中でProgateのアプリを使って勉強していたこともありました。

一時期有料会員にもなって、約110個の演習をクリアしましたね。

Progateで勉強をしてみてどのように感じられましたか?

非常に学習しやすかったです。そのように感じた理由は3つあります。

1つ目は手を動かしながら学べたこと。2つ目はチャプターごとに演習があって、見本で完成物のイメージが持てたこと。3つ目は環境構築をする必要がなかったこと。

それらの理由から学習に取り組むハードルが低く、迷わず楽しみながら学ぶことができました。

「Tech0」では、例えばどのようなものを作られたんですか?

自分のホームページや不動産価格を予測するwebアプリ、あとはwebサイト情報の自動収集ツールやAPI連携による物体認識アプリなどを作成しました。自分は裏側のシステムのようなものを作るよりかは、誰かが見れる、使えるようなツールを作るのが好きで。そういったものを中心に作っていたと思います。

斎藤さんの作られた不動産価格予測アプリ


ホームページやwebアプリと聞くと、初心者がいきなり作るのにはハードルが高いように感じるのですが、挫折しそうになることはありませんでしたか?

エラーが出て、解決方法がわからないときは、「これ一生かかっても終わらないんじゃないか」と思うこともありましたよ(笑)。でも「Tech0」の講師は現役GAFAMエンジニアですし、ITのプロであるTAの方々も多いので困ったときにはすぐに助けてくれるんですよね。

例えば自分で2、3時間やっていても解決できない箇所があったのですが、講師やTAの方々に相談したら2、3分で解決して。そういった環境があったのは非常に大きかったですね。また、毎週チーム毎の発表があったり、他の受講生の進捗率が分かるので、「負けられない!」と競争心を煽られて楽しみながらやっていました。

おかげで、最初の成果物のホームページは10数時間程度かかりましたが、なんとか作れました。Tech0 に入ってなかったら、今のポジションもスキルもないと思うので、少しぞっとしますね(笑)

斎藤さんの自作ホームページ


プログラミング学習を継続させるには、自分を突き動かす強い動機も必要

コミュニティがあったことで挫折しなかったと。

ぼくにはその道40年のプログラマーの師匠がいるのですが、その人からは「作りたいものを見つけなさい」とよく言われます。例えば料理だと、フレンチトーストを作りたいとか、カレーライスを作りたいとか、そういった作りたいものがあってはじめてレシピもわかるじゃないですか。プログラミングもそれと一緒なんだ、と。

さらに師匠によると、「作りたいものだけを決めても動機はまだ弱い。誰かを喜ばせたいとか、転職をしたいとか、そういった目標があるといい」とのことで。

つまりは、自分を突き動かす強い動機が必要なのかなと。

斎藤さんにとっての強い動機は、「誰かに見てもらえる、使ってもらえる」ということだったわけですね。

「誰かを喜ばせたい」という思いが強くありますね。実際にプロダクトを作れて、誰かに触れてもらえたときには、ぼく自身も非常に嬉しいので。仕事でも、これまで外注していたものを自分たちの手でやれるようになってきたので、とてもやりがいを感じています。あと、お金の面でも、スピードの面でも会社に貢献できている実感もあるので。

IT系のことを学んだことで、新しいアイディアも出てきやすくなった感じがしています。「この技術を使えば、こういうこともできるのではないか」みたいな。そういう意味で、これからも新しい技術にはどんどん触れていきたいですね。

今後はどんなプロダクトを作りたいと思っていらっしゃいますか?

現在関わっている福祉・介護ゲーム機「TANO-LT」のような、自分の親でも楽しめるようなものを作ってみたいですね。自分の作ったもので親の喜ぶ顔が見れたら、大きな達成感を味わえると思うので。

まだまだ技術力が足りないところもあるので、今後はより力をつけて、まずは自分の周りにいる人たちを喜ばせられるようなプロダクトを作れればと思っています。

最後にプログラミングを学びたいと思っている方へメッセージをお願いします。

まずはプログラミングを学ぶことで何を作りたいのか、何をやりたいのかを考えてもらえたらなと思います。しかし難しそうで、学習するハードルが高いように感じる人もいるはずです。

そういった方は未経験者がいるようなコミュニティに入ってみるといいのかなと。「Tech0」には未経験者もたくさんいて、そういう人たちが短期間でプロダクトを作っている姿を間近で見ることができます。

そういった環境に身を置くと、背中を押されて一歩目が踏み出しやすくなるはずです。あとコミュニティに所属すると、さまざまな人との繋がりができて、それだけでも財産になると思いますので、ぜひ!

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