株式会社土屋鞄製造所は、デジタル領域に力を入れており、クリエイティブ部門は独自にプログラミング研修を行なっていた。今年からは全社的にプログラミング学習を導入し、内定者研修から始めていくと言う。背景や研修方法など、詳しい話を西島さん(写真、右)に聞いた。
西島 悠蔵氏:新卒、中途、オンボーディング、研修を行う人材開発課のマネージャーを務める。メンバーマネジメント、戦略など人材開発に関わる分野を幅広く担当。
1965年創業、東京でランドセル職人が立ち上げた工房を発祥とする日本の皮革製品を中心としたブランド。皮革製品を中心にメイドインジャパンのランドセル、財布、バッグ、ステーショナリーなどを展開。企画・製造・販売・修理を自社で一貫して行っている。
(参照URL:https://tsuchiya-kaban.jp/)
人事として全社的にプログラミング教育をやっていきたい。まずは内定者研修から
土屋鞄は外から見ると、職人や工房など、手作業な部分が目立つと思うんですが、実は10年以上前からデジタル領域に力を入れているんです。特に最近は、クリエイティブ部門が独自にプログラミング研修をやっている状態です。土屋鞄は美大出身者が多く、たとえばジュエリーや金属のデザインをやってきた子や、グラフィックデザインをやっていた子など、プログラミングをやったことがない子が、例えばUI/UXデザイナーに抜擢されることがあります。WebのUI/UXを扱う部署に所属になった子は、その部署が独自に5ヶ月間のプログラミング研修を行なったりしていましたね。
参考: https://www.wantedly.com/companies/tsuchiya-kaban/post_articles/398093
部署単位で自主的にやってくれたのは良い動きだと思いますが、属人的にならないように、プログラミング教育は人事として体系立ててやっていきたいと思っています。
まずは2023年入社の内定者から始める予定です。事前にProgateで最低限の知識を理解してもらい、Webに関する知識を身につけてもらいたいですね。内定者から始めますが、最終的にはプログラミングを学びたい全ての従業員に学習環境を提供し、全社的に学んでいきたいと思っています。
今後、学校教育でプログラミングを学んだ人たちが社会に出てきた時に、受け入れられるように知識を身につける必要がある
今は学校教育の一環でプログラミングがあります。小学生がプログラミングのドリルをしている時代です。数年後は、プログラミングを義務教育でやってきた人たちが社会人になります。そういう人と一緒に働くことを考えると、我々も最低限のプログラミングに関する知識を身につけておかなくてはいけません。
プログラミング学習を取り入れることによって、Webへの理解度が上がり、ソリューションに活かせるアイディアが増えるのではないかということも期待しています。課題解決のための提案の幅も広がるはず。
また、エンジニア、デザイナー、ビジネスサイドなど、全く違う職種にプログラミングという共通言語が生まれることで仕事の生産性が上がると見込んでいます。土屋鞄には職種が多くあるので、新しいキャリアをプログラミングで作ってもらってもいいのではないかと。プログラミングは人の可能性を広げてくれるスキルになると思います。
隙間時間に手軽にできること、基礎知識の習得が簡単なことですね。とくに今回は最初は内定者研修から始める予定なので、手軽にできることは重要でした。内定者は入社までにイベントがたくさんありますし、学校やバイトやサークルなどもありますよね。多忙な学生に重い学習を強いるのは難しい。Progateなら、自分のペースで進められるのでちょうど良かったんです。
どの人がどれくらい進んでいるのか把握しておきたいので、管理画面で学習の進捗が見られるのもいいですね。
内定者研修では2ヶ月プログラミングを学んで自己紹介サイトを作成してもらう予定です。
内定者には今年の11月から2ヶ月間自己学習で進められるようにアカウントを提供します。学習後は学んだ知識をもとに、自己紹介サイトを作ってもらう予定です。
やはりオンラインだと関係性を作るのに時間と工数がかかると思っています。意図的にコミュニケーションをとれるようにしていきたいと思い、毎月1回は内定者と接点を持つ予定です。学習の中間では全員が集まるタイミングを作って、学習の進捗を共有できる場を設けます。その中で学習理解度の高い人をリーダーに任命して、協力しながらそれぞれのサイトを完成してもらおうと思っています。
グループワークやチームビルディングなどで内定者同士の関係性を構築していき、会社理解も深めていくような研修を行なっていました。一昨年に行なったものは、「日本にある老舗ものづくりメーカーを買収して、どうやったらうまくリブランディングができるか」というもの。施策とスケジュールなども含めて考えてもらいました。1グループ4〜5人に分かれてもらい、1ヶ月かけて行いました。同期のつながりが強くなり、良いチームができあがりました。
プログラミングを学び、その姿勢を見せることで、非IT企業という見られ方をしなくなる
非IT企業という見られ方をしなくなることですよね。僕たちはデジタル領域に力を入れていますし、資金も投資していますが、どうしても鞄製造をやっている老舗の非IT企業という見られ方をします。プログラミングを全社的に学ぶこと、その姿勢を見せることで土屋鞄ってIT分野で面白いことをしているんだなと知ってもらいたいですね。
あとはさきほど言ったとおり、学校教育でプログラミングが義務化されているので、早め早めに対策を打つ必要があります。いざその時がきて慌ててやっても間に合わないので、最低限の知識は身につけておかねばなりません。
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