ファインセラミックスをベースとした電子デバイスの研究開発・生産・販売を手がけている。
ファインセラミックスをベースとした電子デバイスの研究開発・生産・販売を手がけている。
電子部品を中心に独自の製品を供給し、文化の発展に貢献することを目指している株式会社村田製作所。2022年から全社でDX化を推進しており、同年の春頃からProgateを導入していただいています。
また2023年の9月には、ハンズオン形式で業務に活かせる知識・スキルを学ぶ体験型研修サービス 「Progate Studio」も利用していただきました。今回は、村田製作所の分析センタでDX人材の教育業務を担当している渡辺さんにインタビュー。
Progateを導入いただいた背景や活用方法、Progate Studioを利用してみた感想など詳しく伺いました。
渡辺 研太朗 (わたなべ けんたろう)
株式会社村田製作所 技術・事業開発本部 共通基盤技術センター 分析センタ所属
2018年に村田製作所に入社。X線を用いた結晶構造解析を主軸とした研究業務に従事。現在は構造解析グループリーダーとしてマネジメント業務をしながら部内のDX教育の取りまとめを務めている。
DX人材を育成し、莫大なデータを自動的に解析できるように
私は、ムラタグループ全体の基礎研究や製品開発、製造における技術課題をさまざまな分析装置を使って解析し、解決していく分析センタという部署に所属しています。その中でX線を使った結晶構造解析が私の主な担当業務です。
また2022年ぐらいから全社でDX化を推進していくことになり、部内でDX人材の育成の部分も担当させてもらうことになりました。DX化を推進していく背景は、その場解析と言って莫大なデータをリアルタイムで取得する分析手法が出てきたことにあります。
何万にも及ぶデータを手動で解析していくことは現実的ではありません。そのためプログラミングを活用し自動的に解析を行えるように、部門内でもDX人材の育成に注力し始めることになりました。
当初は私が中心となって、プログラミングを学びたい人に簡単なコーディングができるように教えていました。またプログラミング教材を独自に作成しようとしていたこともあったのですが、私自身もノンプログラマですし、リソースにも限りがあるという課題感を抱くようになって。そこで2022年の春頃からe-ラーニングサービスの導入を検討し始めました。
そうです。2019年ごろから独学で学んではいましたが、プログラミングの基礎を体系的に学んではいません。基本的には技術課題があって、それに対して必要なものを学んでいくようにしていました。Pythonを使ったデータフレーム化処理や機械学習について、プログラムを書いて、わからないところがあれば自分で調べて解決するといった形です。
抵抗感なくプログラミングを学べると思い、Progateを導入
2つあります。1つ目はプログラミングの環境構築をする必要がなかったこと。部門内にいるメンバーは全員がノンプログラマです。初心者にとってプログラミングの環境構築を行うのはハードルが少し高いと思っていたので、ブラウザ上でコードを打つことができる点はとてもいいなと思っていました。
2つ目は可愛らしいイラストを使っていたこと。プログラミングを学ぶことに対する抵抗感を持つメンバーが多かったので、可愛らしいイラストがある方が学習しやすいのではないかなと思って、採用させていただきました。
「プログラミングに興味はあるけど、何から始めたらいいかわからない」「独学するのは難しい」と感じている部門内のメンバーを20名ほど集めて、ProgateのPythonコースを自習形式で取り組んでもらっています。ただ、それだけだとなかなかスキルは身につきませんし、継続して学習することも困難です。そのため、私が教師役となって週に1回web上で復習会を実施したり、もくもく会を不定期で開催したりしています。
あと今年の2月にProgateから「Progate Studioというワークショップ研修を受けてみませんか?」とご提案いただいて、9月に 研修を実施したこともあります。
研修内容としては、Pythonのif文やfor文の学び直し、標準ライブラリの使い方、Pandasによるデータフレーム化処理の方法、Matplotlibによる図の作成方法などです。e-ラーニングのProgateではカバーしきれていない領域を中心に、Progateの講師 にハンズオンで教えてもらいました。
実践的な課題演習でプログラミングを実務で活用できるようになった
e-ラーニングのProgateで勉強しているメンバーから「言語について一通り学べたけど、実務に応用することはまだ難しい」という声をもらっていたことが大きな理由です。
Progate Studioではプロの講師 と講義内容を相談して決められ、ハンズオンで研修を開いていただけるとのことだったので、導入してみようかなと思いました。
我々の部門でよく行うルーティン作業があって、Pythonで置き換えられるのではないかという仮説を持っていたんですね。そのことをProgateの講師 に相談させてもらったところ、課題演習を行ってはどうかとご提案いただき、研修で実施することになったんです。
結果として、すぐ実務にも活かせるような課題演習を行っていただけたので、参加したメンバーはスムーズに置き換えができたと思います。
そうですね。Progate Sudioの参加者には講義終わりにアンケートを行ったのですが、「プロの講師 からハンズオンで教えてもらえて、自信がついた」という回答をしてくれた方が非常に多かったです。
またメンバー間でプログラミングに関する共通言語を用いた会話や話題が増えてきた点も大きな成果かなと思っています。課題として感じていたプログラミングに対する抵抗感のようなものがだいぶなくなったのかなと。
あと最近Progate Studioの課題演習で取り組んだルーティン作業とは別のルーティン作業もプログラミングで自動化しようというプロジェクトが立ち上がって、動き出しています。
プログラミングで課題解決することが当たり前の選択肢となるように
自社が抱える課題をプロの講師 に相談して、その課題の解決に向けて講義内容を決めていくことができた点が大きかったかなと思います。実際に課題が解決され、潮目が変わった感じがしていますね。
「DX人材の教育に割くリソースが足りない」という私自身の課題も解消されたと思っています。空いたリソースを使って、新しいことに挑戦していきたいですね。
部門内でプログラミングを学んでくれているメンバーは、まだ一部です。より浸透させていきたいですし、今後は新人の方や異動されてこられた方などもプログラミングを学べるように体制を整えていきたいですね。
そしてエクセルやメールなどといったツールと同じように、プログラミングを誰でも使えるようなものにして、課題解決のひとつの選択肢として当たり前になれば理想的だなと思っています。
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